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”一宿一藝五捨ナナ次” プロジェクト
私たちの夢は、東海道にある57の旧宿場町ごとに、アーティストや職人さんと共創した地域性のあるプライベートな町家の宿を運営することです。
日本に来るゲストの9割は東京から京都まで新幹線で移動してしまいますが、もっとゆっくり、地方には観光地化されていない本物の魅力がたくさん残っているよ、と伝えたい。
2019年に一軒目の宿を始めたときには、解体予定の町家に一目惚れをして「もったいない」の一心で、旅好きな私らしく宿泊施設としての活用を選びました。「貸切り」としたのは、建物をじっくり味わう時間と心の余裕のある方に泊まってほしかったからです。
「東海道沿いに広げたい」と思ったきっかけは、2023年4月にポーランドから宿泊された一組のゲストとの出会いでした。
私たちは、観光地化されていない本物の日本をみたくてここに来ました。
そして彼らが20日間の日本滞在のために自作した、60ページもの”旅のしおり”を見せてもらいました。箱根にある著名な旅館「強羅花壇」さんの紹介の後に、私たちの小さな宿について記載がありました。
古民家で過ごす一日
~静けさと本物の日本文化~日本の建築遺産である伝統的な日本家屋が急速に消えていっていると言われることは、とても悲しいことです。私たちは、この奥深い日本文化の象徴である古民家の衰退を少しでも食い止めるために小さな貢献をしたいという思いから、今回、このような歴史ある民家に滞在することにしました。
小さくても本当に良いと感じる空間を仲間とともにつくってきたことを、もしかしたら日本人以上に理解と思いのあるゲストを目の前に感動し、自分たちの取り組みへの自身にもなりました。
もし各宿場にこういった宿を運営できたら、そしてもし「地方に残る本物の民家に泊まり、ローカルな文化を体験しながら、東京から京都・大阪までゆっくり旅する」という旅が新しいスタンダードとして定着したら、より多くの地方が活性化し、日本の魅力向上に貢献できるはずです。
まだまだ旅は始まったばかりですが、すでにご協力いただいている皆さまへ、この場をお借りして感謝申し上げます。
牧田 裕介
株式会社KAI堂 代表取締役
https://kaido-japan.com